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2014年2月19日水曜日

カンボジアの薬局経営者

以前、カンボジアの薬局経営者が私に会いたいといってきた。
日本の薬や医療機器を輸入販売したいというのだ。

経営者のカンボジア人は薬剤師でも医師でもない、ただの「店舗経営者」だ。
でも、彼は「私は薬を知っている。大丈夫だ!」というのだ。
おいおいおい!!

薬剤師の私にそれを言うか??

「アムロジピンは高血圧の薬だろ。そんなのわかってるよ」

おいおいおいおいおい!

それは、日本の一般人ならだれでも知っているぞ!

あまりにも自分は薬局の経営者で薬をよく知っているから、大丈夫といいはるもんだから、私の堪忍袋がブチブチと・・・・

「高血圧の薬は何十種類もある。それを間違って売って健康被害が出たらあなたは責任がとれるのか?」ときいてみた。

「高血圧ならアムロジピンとニフェジピンの2種類だから間違うはずがない」

「そう、あなたはアムロジピンとニフェジピンの2種類しかしらない。他にメカニズムが違う薬が何種類もある。高血圧といっても、アムロジピンが効かない場合もある。あなたは薬剤師じゃあないでしょ?」
「・・・・・・・」

「医療機器だってそうですよ。手術用のはさみを輸入したいといっても、何百種類という鋏がある。どんなオペにどんな鋏を使うかを知らないで売るつもりですか?それで、医師が間違って使って、オペミスして、出血多量で患者が死亡したらどうしますか?」

「・・・・・・」
ここでかなり絶句。

そこから、私の相方がフォローを入れてくれる。
「彼女は薬剤師としてプロ意識が強いからね。シビアだよ」

そうなのだ!

これ以上、薬や医療機器の間違った使用でカンボジアの人々の健康が害されることが、とっても嫌なのだ。
これ以上、健康被害を出してはいけないのだ。

日本人は公害を経験した。薬害も経験した、医療機器による事故もたくさん経験した。
それをわかっている人間が、途上国の医療支援だけでなく、医療ビジネスにもかかわるべきで、日本人でもそれをわかっていない人には遠慮してほしいとも思う。

専門的なことは、やはり日本においてその専門職の経験がある人がすべきだと思う。
薬局は、やはり日本の薬剤師が支援すべきでしょとさらに信念を強くした出来事でした。
ちゃんちゃん。

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