Translate

2015年3月5日木曜日

カンボジアの医療事情で想うところ・・・

旦那の友人が亡くなって・・・今一番思うところは、
「何も情報がない」というもどかしさ。

「去年の末にベトナムで手術してきたんだよね」
「何の?」
「さあ。首のところの神経が絡まってたとか」
「は?それ癌とかじゃなくって?」
「さあ。でも、ベトナムでは癌てわかったら手術を受けない可能性があるから言わないよ」
「え?じゃあ転移とかしとったらどないすんの?」
「さあ?」

「2週間ほど前に同じ呼吸困難で病院に運ばれたんだよね」
「医師はなんて?」
「さあ?」
「原因とか、注意とかいわれなかったの?」
「さあ?よくなったから自宅に帰ったって」
「???」
「でも、ずっと小さいときから呼吸困難を時々起こしてたんだよね」
「え?喘息だったの?」
「いや、いわれたことない。でもずっと前から苦しくなるこことはよくあったらしい」
「病院にはいかなかったの?」
「いっても風邪とかくらいで。特には・・・」
「へ?」

「運ばれたときは酸素が75%くらいだったんだって」
「で、原因は?」
「さあ?」
「検査は何かしたの?」
「血液検査したらしい」
「結果は?結果の説明とかは?」
「医者は何も言わないって。検査結果も見られるのが嫌でださないよ」
「へ?」

「もう肺が半分つぶれてるって」
「え?それは感染して?それとも肺の機能が全滅してるってこと?」
「さあ?」
「医師からはなんて?」
「吐血したから、もう持たないって」
「え?それだけ?」
「そう」
「吐血ひどかったの?その時医師はなにか感染症とかいわなかった?」
「何にも」
「・・・・・・」


情報が全くないのですべてが推察の域をこえれないし、どういうサポートをしてあげたらいいのかもまったく見当がつかない。

喘息だったのか?
結核だったのか?
アスペルギルスなどの感染症だったのか?
HIVに感染していたのか?日和見感染?
癌だったのか?

じゃあ感染症であったのなら、子供や家族は大丈夫なのか?結核の場合は感染している可能性も大だ。


カンボジアの医療で一番必要で一番欠けているのはプライマリケアレベルの医療知識とスキルだと思う。

「高度医療の支援が必要だ」という人がいる。
しかし、そうではないと私はいつも思っている。

小さいとき、喘息が風邪をひいてかかった病院で気づいてあげられてたら・・・
ベトナムに行くときに、それは腫瘍だとか、何か違うなにかだと説明がきちんとあったら・・・
手術の時に以前から呼吸困難を起こしたことがあるという情報が医師に伝わっていたら・・・
最初に呼吸困難で運ばれた病院で、感染症なりなんなりの原因がある程度絞り込めていたら・・・
家族にきちんと医師から情報が伝えられてたら・・・

彼女の命は助かっていたかもしれない・・・
私も何らかの手助けができていたかもしれない・・

そう思うと、歯がゆくてたまらない。

0 件のコメント:

コメントを投稿